ちょっと一服

蒸し暑い路地を歩き回り、急に広い道に出ると吹き抜ける風が首や腕を撫で、火照った体が締まるように思われた。9月に入り、秋めいた陽気になったとはいえ、昼間の残暑はやはり堪える。杉山町の地形は小さな尾根や谷が入り組んで、車の通れない小径も所々に点在している。民家が数件寄り添うように建っていると思うと、そこを過ぎると小さな雑木林の中の小道に出くわしたり、角を曲がると急な上り坂に出たりする。この狭いエリアで曲がりくねり、上ったり下ったり、照り返しに閉口したかと思うと風の吹き抜ける木陰にほっとしたり、見慣れない道を歩いていると旅にでも出ているような気分になる。そして、小径の急な坂を上り切ったあたりで眼下に民家の屋根を見下ろすその向こうに、見覚えのある形をした雑木林のシルケットが、杉山小学校と八幡神社の鎮守の林であることに気付き、それがおそらく100mも隔てていない距離だとわかると快い驚きがあって、面白い。
時にはこんな気持ちになれないとね。

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