冬至だが風もなく

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こう寒くなってくると布団から出るのが億劫になる。
夜中に尿意で目覚めるが、せっかく温まった布団から出ることができない。しばらく我慢してうつらうつらするが、その間にも尿意は増してくる。トイレへ向かうのに、なにか遠くへ旅立つ、くらいの気概がないと途中、躓いてつんのめったりして、前途を悲観して、待ち受ける苦難に立ち向かう勇気もなく、行倒れてしまうのではないかという不安に苛まれる。また、帰途柱に頭をぶつけたりすると、「怪我までしてしまった。救急車を呼ばなくちゃ、このまま息を引き取るようなことになったら残された家族は路頭に迷うだろう」などと、家族もいないのに悲嘆に暮れる。そうやってもたもたしているうちに白々と夜が明ける。その頃には膀胱は飽和状態になり、一番気温の低い時間帯にガタガタ震えながら用を足す羽目になり、もっと早く行っておけばよかったなと後悔するのである。
冬至。
空気は冷たいが、風が無いのは有難い。


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