ごく身近な新しい発見

〇〇さん家の木の枝が伸びちゃって、夜になると外灯の明かりを遮って下が真っ暗で・・・
通学路の街路樹の茂みにハチの巣ができ始めてる・・・
線路沿いの道に伸びた雑木林の枝が電線に当たっている・・・
この時期だから伸びた枝に関する相談が多い。あるいは、農業が盛んな地域なので道路に関する相談も多い。
畑から流れ出た土で側溝が埋まったり、道路に溜まったり、農道が崩れたり・・・
先日は、家の前の傾斜地の雑草が伸びて虫が出て困るので除草剤を撒いたら根こそぎ枯れちゃって、逆に雨の日に土砂崩れしないか心配になっているという相談が、自治会に寄せられてくる。相談、要望があれば現場へ行き、自らの足で歩いて、見て、聞いて、触れて写真を撮ってくる。スケジュールの合間を縫って行くので、しんどいなと思うこともあるけれど、現場へ行くと、案外面白いと感じることが多い。

T区自治会長のB川さんと3か所廻った日。
6月とは言え、雨上がりの朝は爽やかな風が吹き、「こりゃいい調査日和だよね」などと言いながら現地へ赴くと、鬱蒼と茂った雑木と雑草の中で風が遮られた上に強い日差しに「いやいや、思ったより暑くなったねぇ」と汗を拭いながら歩き回った。
そして伸びた枝が道路にかぶさっているという3か所目は、渥美線の小さな踏切を渡り、お寺の手前の細い路地へ入る辺りが問題の箇所だというのだが、道にふさがるような枝は見当たらず、それでもその近辺を歩き回ってみたが、やっぱりそれらしいものが見当たらない。
この辺りは小さな谷と尾根が入り組んでいて、昔ながらの狭い路地がうねうねと家々を結んでいる。路地の脇には雑木や高い生け垣が鬱蒼と茂っていたりして、樹木のトンネルをくぐるように歩いていくと繁みと繁みの隙間に一坪か二坪程の小さな池が静かに佇んでいたり、小さな古い門があったりと、細いうねうねした小径を進むごとに次から次へと小さな箱庭のような景色が現れる。
生け垣や雑木は茂っているが、道にふさがるような個所は見当たらない。「でもまあ」と、繁みの道の写真くらいは撮っておこうとB川さんが撮り始めた。少し離れたところから、その様子を見ていると、まだ6月に入ったばかりの木々の緑は活き活きと鮮やかで路地を抜ける風が繁みの枝を揺らして木洩れ陽がキラキラたまたたく光景に見惚れてしまった。
ファインダーを覗きながらB川さんが「旅先にいるような気分だなぁ」と呟く。「やっぱりそう思ったんだ(笑い)、風情があるよね、ここ」。私もB川さんも感じるものは同じである。この土地に長年住んでいても、この狭いエリアのどこもかしこも知り尽くしているという人は少ないものだろう。いかに自分の生活エリアの中と言えども、その活動範囲はさらに狭い。
町内を歩き回っていると、次から次へ、新しい発見に出会ったりする。こういう時、いかに自分の視野の狭さに気付かされ、そして新しい発見の喜びを感じることができるのだ。



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