後はその時のこと

 これまで強盗や放火、殴り込みなどの被害に遭ったこともなく、まあおおむね平和というか平穏というか何事もなく無事に日々を暮らしていた。が、想定外の事態が起こるということはあるもの。昔から「 一寸先は闇」とか「人間万事塞翁が馬」なんて言葉がある。まったくその通りで、ここ十数年、できるだけ他人との付き合いを避け、仕事と散歩以外に他行などということをしてこなかった。終日家にいて脳みそに花を咲かすか、気が向けば日曜大工ペンキ塗りで庭に出るくらいのもの。必要に迫られて人と会って話をするとき、それが町中のどこかへ出向く場合など、その気疲れを計算に入れ、帰りの道程のための余力を残しておかねばならないという事情があるので話を聞いていても半分上の空で、どんな話をしたのかほとんど憶えていない。たったの小一時間、人と会っただけで心身ともに疲労困憊。帰宅した後は廃人のようになる。
 歳を取ったせいもあるが、よりそういう思いが強くなる。何事も平穏無事に過ごしたい。しかしながら波風立たせないように過ごしていても自分の意志とは別のところから立つ波風というものがある。一度立った波風に翻弄されるのは当然だが辛い。この波風を抑えるには自ら波風を起こして相殺するしかないのかもしれない。
 内田百閒さんのようにイヤダカライヤダと言い切れる大きな器を持ち合わせていない。世間体というか、人から指をさされるのも怖いし、かといってちゃんとやっていける自信もない。こういう時になってこれまで中途半端に生きてきたツケを払う羽目になる。
 やってもやらなくても時間はどんどん過ぎてしまう。ただ悶々と過ごしていてもいいことはない。流されながらでも翻弄されながらでもやってみるしかない。「退屈しのぎにはなる」つもりでやるとこにする。後はその時のことやね。


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