ぺったんこ

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 玄関前でゴキブリに遭遇。こんな時期だからゼンマイ仕掛けのおもちゃ並みのぎこちない動きだ。夏場のデリカシーの無いゴキブリとは全く別の生き物のようで哀れさが滲む。道路の真中でよちよち歩く弱々しいゴキブリを見るといつもの殺意は失せ、変な仏心が湧いてくるが、だからといってこれを放っておくと越冬して来年の夏に後悔することにもなりかねない。殺すか、見過ごすか、鬼心と仏心との葛藤がある。
 殺すか見過ごすか躊躇しているうちに軽自動車が通りかかりゴキブリはぺったんこになっていた。あっという間のぺったんこだ。ゴキブリにとって、私に躊躇混じりで殺されるより車で一気にペンタンこにされたほうが結果的に良かったことだろうと、轢かれる直前のよちよち歩く生前のゴキブリの姿を思う。
 時として仏心っつうのは残酷だからね。


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