滞るのは天候のせいにする
霧のような雨で、七股池の景色は灰色の輪郭だけが朧に浮き上がり、さも遠くを眺めるかのようなよそよそしい遠景へと後退している。
4月に入って、普通なら一度くらい寒の戻りがあるものだが、3月の後半あたりから暖かい日が続きそのまま春に突入してしまった。ここ4日5日空が暗い。昨日の夕方、晴れ間がのぞいたが今朝起きてみるとやっぱり雲に覆われていた。小降りになったり本降りになったり。雨が上がっても雲は低く垂れこめ、ジメジメと湿気た日が続き、梅雨にでも入ったかと勘違いしそうなくらいだ。この湿気が年寄の乾燥した肌にうまい具合に染み込んで潤いを与えてくれるのならいいが、皺だらけの顔から浸み出てくる廃液と交わりべたべたとまとわりつき異様な臭気を漂わせている。
聞こえているのか聞こえていないのか分からない微かな雨音。葉に溜まった雨粒がポツポツと滴る音。霧雨の降る日は妙に静かだ。渥美線の警笛がいつもよりも近くに聞こえるのは何か湿気と関係があるのか。
締め切った家の中の何もかもが湿気て、蒸れて、自分の体から発する臭気と部屋の臭気が混ざり、ついでに大根の糠漬けの匂いも交じって住人である自分が臭いと思う程だからかなりのものだ。こんな天気だからペンキ塗り作業も進まず部屋で少しずつ油絵製作を進める。
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