郷愁

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19号が去り、雲一つない朝を迎えた昨日は、吹き返しの風で一気に秋が深まった。
向山公園は、くすんだ緑の所々に色づき準備を始めた枝を配し、山全体がうねる様に風にあおられていた。電線の風切音が寒々しい。
アキアカネが激減しているという記事が載っていた。
いつを対象にして激減していると言っているのかわからないが、アキアカネの激減は「いまさら」といった感じがする。
50年前の思い出。
小学校の校門の前で、夕日に照らされて黄金色に輝く田んぼが広がる風景。真っ赤に染まった赤とんぼの群れが飛び交っている。
轍(わだち)の水たまりをよけながら、群れの中を歩いていると微かな羽音が四方八方から聞こえる。
親父の世代は鳥もちでトンボを捕っていたらしいが、私の世代では虫取り網で捕る。しかし赤とんぼは意外に捕まらない。あの密度の濃い群れの中で、いくら網を振り回しても、トンボの素早い動きに網が追い付かない。
トンボ捕りを諦めて、なんとなく人先指を突き立ててみると、赤とんぼはあっさりと私の指に止まる。
6本の足が指先をしっかりとらえて、足にかけられた力が指に伝わってくる。もう一方の人差指をトンボの目の前に持ってくると、6本の足の力が加わるのがわかる。トンボの緊張が伝わってくる。
こういう体験で、子どもなりに(私のような頭の悪い子供でも)トンボに命があることを実感する。
捕って所有する喜びから、その場で眺める喜びに変わった。
赤とんぼは眺めるものなのだということに気づいた瞬間。

郷愁、50年前の思い出だぜ。
結構、歳とっちゃったな。



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